幸せな未来は「ゲーム」が創る の感想

幸せな未来は「ゲーム」が創る
ジェイン・マクゴニガル
早川書房
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500ページ超&ゲームに関する書籍ということで感想を書きます。
まず500ページも要らへん。
 
111がこれを読んで学んだとすれば、ARG(仮想現実ゲーム)の雰囲気というヤツであって、まぁ後はそれ以外ないね。
っていうか日本語訳のせいか、同じ事をかなり繰り返してて、読んでてむかつくしね。
こういう外人さんの本は割とアカデミックに論理を積み立てていくんだけど、積み立てるフリで実は少ないソースを繰り返してる感があったね…。
結論とか大体見えてるのに、まごまごと話が淀んでたり。
 
でまぁそんな訳で、100ページ前後の雑誌とかで、この書籍の中で触れられたゲームについて、写真付きで紹介してくだされば、大体事足りたなあ、という印象でした。
雰囲気くらいしか学べる事が無いのだから、それが最善でしょう。
 
と言うかこの本を買った時は★4つのレビューが1コだけだったので有難がって読んだけど、今amazonに行ってみたら低いレビューも付いておった。
やっぱりそうか。
 
ARGというのはゲーミフィケーションと同じくらい最新の言説であって、要はうさん臭い。
この本の最後の方に”いわゆるゲーミフィケーションというモノにも触れている本書ではあるが、筆者はあえてその言葉を一度も使っていない。まだ最新の言葉で、定義が揺れているからだ”というような文があったけど、ARPG自体もうさん臭いよね…
っていうか色んな事例、考えを紹介してくれるけど、まぁ正直オママゴトというか、頭の中お花畑というか…。
 
「現実がつまらないのは、現実が(ゲームに比べて)壊れているからだ」と、ハッキリ言ってるのは仲々良かった。
ある事ない事を取り上げてゲームをネガティブに捉えた「ゲーム脳の恐怖 (生活人新書)」の対極と言えよう。
ここにはゲームの害など99%触れてなく、ゲームのもたらす可能性だけがひたすら綴られているのだ。
 
まぁ実際、最近ではむずかしい遺伝子情報をゲーマー達が最速で解いた例とかもありますし、工場とかの仕事もほんとうに牛歩ながら自動化されていくでしょう、そうしたら仕事を選ぶ基準として「面白い」というのがあるかも知れん。
そしてそうなった時、ゲーム的な仕組みを、経営者が仕事に取り込もうとするかも知れん。
まぁ未来の話ではあるけど、そういう可能性はあるかもね。
とりあえず、かなりスィートな希望的観測が入ってはいるものの、最新の知見ではあるという事で。
内容はやっぱ100ページ前後の雑誌で良かった気もしますが。
 
…ゲーミィケーションの本とかもちょっくら読もうかなぁと思うものの、この本が発端か知らんが同一色のカラフルな表紙でまとめられていて、まぁハッキリ言ってうさん臭い連中が書いた愚にも付かない話っぽそうで、二の足を踏んでしまいます…
まぁARGもゲーミィケーションも、最低スマフォでアプリ開発しなければ、全然有効そうだし。
 
うーん、しかし墓地の、墓石の形をトランプのスートに見立ててゲームをするとか、
ゲームと言ったらデジタルゲームについ思考を支配されがちな我々には、ちょっと良い刺激にはなるかもね。
でもそういう現実でのレクリエーションみたいなゲームとか面倒くさいんだよね…
リア充だしね…。
 
しかし世界を変える可能性があるとすれば、まだそういった現実でのゲームで、まぁそれがARGなんだろうなぁとは思う。
でもそれを言ったら鬼ごっこもARGな訳でね…。
21世紀の今、数々のメディアやテクノロジーを横断して考え、○○を変えるっていうコンセプトを持って、明確なゲームデザインをすると違うのかね?
まぁ最新の理論というのは、割と言い出したモン勝ちな所もあるね…。